OFFICE
SERVICE

ご相談者は30代の女性で、夫との離婚をめぐる話し合いが折り合わない状況の中で、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
ご相談者によれば、約6年間に及ぶ婚姻生活の中で夫婦関係は完全に破綻し、離婚すること自体については当事者間で概ね方向性が一致していました。もっとも、離婚に伴う金銭(慰謝料)の取り扱いをめぐっては、当初から双方の認識に大きな隔たりがありました。さらに、相手方の親族からもご相談者を非難する連絡が寄せられるなど、相手方やその親族との関係は感情的にも深く対立していました。
ご相談者は、海外で新たなキャリアを始める準備を進めており、相手方やその親族との関係を完全に清算したうえで、一日も早く平穏な生活と新しい人生に踏み出すことを何よりも強く希望されていました。ご相談者のご要望は、①相手方と確定的に離婚すること、②離婚後に相手方やその親族から接触・干渉されないようにすること、③離婚にまつわる事情を第三者に言いふらされたり、名誉を傷つけられたりしないようにすること、④相手方からの金銭請求の可能性も含め、本件に関する一切の紛争を後に蒸し返されない形で終局的に解決すること、というものでした。
当事務所の弁護士がご相談者の代理人に就任し、相手方に対して受任通知を送付しました。これにより、以後の連絡はすべて当職を窓口とすることとし、相手方からご相談者本人やそのご親族への直接の接触を控えるよう求め、ご相談者の精神的負担の軽減を図りました。そのうえで、まず協議離婚を成立させ、離婚に伴う条件の取り決めを進めました。
当方は当初、相手方に対して、離婚に伴う相応の慰謝料の支払を求めました。これに対して相手方は、慰謝料の支払を拒否したのみならず、婚姻関係が破綻した原因はむしろご相談者の側にあるとして、自らにこそ金銭を請求する権利があるなどと主張し、双方の主張は真っ向から対立しました。加えて、相手方には体調面の事情もあって協議の進行が滞りがちであり、話し合いは難航しました。
このまま金銭の支払の有無や金額に固執して交渉を続けた場合、離婚調停や訴訟へと発展し、解決までに長い時間と労力を要することが見込まれました。それは、相手方との関係を一刻も早く清算し、新たな人生に踏み出したいというご相談者の最優先のご希望とは、必ずしも合致しないものでした。
当方は、ご相談者にとっての最優先事項が、金銭を獲得することそれ自体ではなく、相手方及びその親族との関係を完全に清算し、平穏な生活を早期に取り戻すことにあることを、ご相談者と十分に協議のうえ確認しました。そして、金銭の支払の有無をめぐって紛争を長期化させるのではなく、金銭の授受によらずに、ご相談者の真の希望を実現する合意内容をまとめる方針を採りました。
最終的に、協議離婚を成立させたうえで、離婚後の事項について、次の内容を柱とする合意書を締結することができました。すなわち、①相手方及びその親族が、ご相談者本人やそのご親族に対し、直接・間接を問わず、電話・手紙・電子メール・SNSその他いかなる方法によっても連絡・接触しないことを定める接触禁止条項、②互いに本件離婚に関する一切の事情を正当な理由なく第三者に口外せず、相手方の名誉を毀損する言動を行わないことを定める口外禁止条項、③本件離婚に関し、合意書に定めるほかには互いに何らの債権債務がないことを相互に確認する清算条項です。
この清算条項により、相手方が主張していたご相談者に対する金銭請求(逆請求)の可能性も含めて、本件に関する金銭的な問題はすべて決着し、後日紛争が蒸し返されるおそれを断ち切ることができました。こうして、ご相談者は、相手方やその親族から干渉されることのない平穏な環境を確保し、安心して新しい生活へと踏み出すことができました。
① ご依頼者様の『真の希望』を見極め、柔軟に方針を設定したことです。慰謝料の金額という目に見える条件にとらわれず、ご相談者が本当に望んでいたのが『相手方との完全な関係清算と平穏な生活への早期復帰』であることを丁寧に確認し、これを実現するための最適な解決の形を選択しました。
② 紛争の長期化・泥沼化を避け、早期解決を優先したことです。金銭の支払の有無に固執して調停・訴訟へと発展させれば、解決までに多大な時間と精神的負担を要したところ、当方は、ご相談者の利益を見据えて早期かつ確定的な解決を選び取りました。
③ 受任通知により、早期に直接接触を遮断したことです。受任後ただちに連絡窓口を弁護士に一本化し、相手方やその親族からご相談者本人・親族への直接接触を控えるよう求めることで、交渉期間中のご相談者の精神的負担を大きく軽減しました。
④ 接触禁止・口外禁止条項により、離婚後の生活の平穏を確保したことです。相手方本人のみならずその親族までを対象とする接触禁止条項や、離婚にまつわる事情の口外禁止・名誉毀損禁止を明確に定め、ご相談者が安心して新生活に踏み出せる環境を整えました。
⑤ 清算条項により、相手方からの逆請求を含む一切の蒸し返しを封じたことです。相手方が主張していたご相談者への金銭請求の可能性も含め、本件に関しては以後互いに何らの請求もしないことを明確に合意し、終局的・確定的な解決を実現しました。
相手方が離婚慰謝料の支払に応じない、逆に慰謝料を請求されてしまった、相手方やその親族と完全に縁を切って平穏な生活を取り戻したい、接触禁止・口外禁止条項を備えた合意書を作成したい、紛争を長期化させずに早期かつ確定的に解決したい、といった離婚のお悩みをお持ちの方は、渋谷に所在する馬場綜合法律事務所までお気軽にご相談ください。