弁護士コラム

交際相手との妊娠・中絶をめぐる金銭請求と勤務先等への暴露の示唆に対し、直接連絡を遮断のうえ、口外禁止条項付きの合意により約2か月で解決した事例

相談事例

ご相談の概要

ご相談者は男性で、交際していた女性(以下「相手方」といいます。)との間の妊娠・中絶をめぐるトラブルについてご相談にいらっしゃいました。

ご相談者によれば、交際していた相手方が妊娠し、その後中絶手術を受け、交際も解消となりました。ところが、交際解消後、相手方から中絶費用や損害賠償の支払を求められるようになり、さらに、ご相談者の勤務先やご家族が経営する事業所に本件を告知することを示唆するメッセージまで届くようになったとのことでした。

ご相談者のご要望は、①相手方からの直接の連絡・接触を止めること、②勤務先やご家族への告知・暴露を確実に阻止すること、③支払うべきものは適正な範囲で支払い、後に紛争を蒸し返されない形で確定的に解決すること、というものでした。

解決の方針と交渉の経緯

当事務所の弁護士がご相談者の代理人に就任し、直ちに相手方に受任通知を送付して、連絡窓口を当職に一本化するとともに、ご本人への直接の連絡・接触を控えるよう求めました。これにより、ご相談者は相手方からの連絡に直接対応する精神的負担から解放されました。

あわせて、受任通知の中で、本件に関する事情を勤務先その他の第三者に告知する行為は、名誉毀損やプライバシー侵害に該当し、民事上のみならず刑事上の責任を生じさせるおそれがあることを明確に指摘し、厳に控えるよう警告しました。これにより、ご相談者が最も懸念されていた暴露のリスクを、交渉の初期段階で抑え込みました。

金銭面については、相手方の心情にも配慮しつつ、中絶費用の実費を基礎に、解決金とあわせて社会通念上相当な範囲に収める方向で交渉を進めました。

解決の内容

交渉の結果、中絶費用8万8000円及び解決金20万円の合計28万8000円を支払う内容で、裁判外での合意が成立しました。

合意書には、金銭の支払条件に加えて、①双方が互いに正当な理由のない接触(訪問・架電・文書・電子メール・SNSその他一切の態様を含む)をしないことを誓約する条項、②本件に関する一切の事情を正当な理由なく第三者に口外せず、互いの名誉を毀損する言動を行わないことを誓約する口外禁止・名誉毀損禁止条項、③本合意書に定めるほかには互いに何らの債権債務がないことを確認する清算条項を盛り込みました。

ご依頼から約2か月での解決であり、懸念されていた勤務先やご家族への告知が実行されることもなく、ご相談者の社会生活への影響を防ぎながら、将来の蒸し返しの余地のない確定的な解決を実現することができました。

良い解決を実現できたポイント

① 受任通知により直接連絡と暴露リスクを初期段階で遮断したこと。弁護士が窓口となることで、ご相談者が相手方と直接やり取りする必要がなくなり、感情的な対立の激化や不用意な発言によるトラブルの拡大を防ぐことができました。

② 告知の示唆に対して法的責任を明確に警告したこと。第三者への告知行為が名誉毀損・プライバシー侵害として民事上・刑事上の責任を生じさせ得ることを受任通知の段階で具体的に指摘し、暴露の実行を事前に抑止しました。

③ 支払額を適正な水準に収めたこと。暴露をおそれて不相当に高額な支払に応じるのではなく、中絶費用の実費と相応の解決金という合理的な範囲での解決を実現しました。

④ 口外禁止・接触禁止・清算条項により確定的な解決としたこと。金銭の支払だけで終わらせず、口外禁止・名誉毀損禁止や相互の接触禁止、清算条項を合意書に明記することで、解決後に本件が蒸し返されたり、第三者に暴露されたりするリスクを最小化しました。

⑤ 約2か月という早期の解決を実現したこと。迅速な受任通知の発送と現実的な条件提示により、ご相談者の精神的負担を長引かせることなく、短期間での解決に至りました。

交際相手との妊娠・中絶をめぐる金銭トラブルや、「勤務先や家族に知らせる」といった告知・暴露の示唆を受けてお困りの方は、渋谷に所在する馬場綜合法律事務所までお気軽にご相談ください。

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