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ある日、配偶者や交際相手の代理人と名乗る弁護士から、封筒で通知書が届く。差出人は見覚えのない法律事務所、中に入っているのは、財産分与・慰謝料・親権・離婚を求める内容。渋谷・神宮前の当事務所にも、このような書類を手に呆然とされた方が、ご来所されることがあります。
弁護士から書類が届いたということは、相手方が本気で法的手続きを検討している合図です。とはいえ、中身の意味を正確に理解し、落ち着いて一つずつ対応していけば、慌てて不利な返答をする必要はありません。まずは「何を、いつまでに、どうすべきか」から整理していきましょう。


まずはこの行動指針を守っていただければ、手遅れになることはほぼありません。ここから下は、この状況を理解するうえでの背景知識です。
弁護士名義で届く書類は、主に次のいずれかです。
差出人の意図を読み違えると対応が食い違うため、まずは分類を確認します。

離婚の意思表示と理由
「〇〇氏から代理人として依頼を受けました。今後の連絡は当職宛にお願いします」という連絡。離婚交渉のスタートラインに立ったという知らせで、具体的な請求金額や条件が併記されていることが多いです。

内容証明郵便による請求書
財産分与、慰謝料、婚姻費用、養育費などについて、金額と期限を明示して支払いを求める書面。「〇月〇日までに振込をお願いします。入金が確認できない場合は民事訴訟等の法的措置を検討します」と締めくくられているのが典型です。

調停・訴訟申立ての予告書面
「期限までに応答がなければ家庭裁判所に調停を申し立てます」「訴訟を提起します」と通告する書面。すでに相手方が申立ての準備に入っているサインです。
弁護士からの書面には、ほぼ必ず以下の3つの要素が含まれています。
相手方の主張
離婚原因、財産分与の算定、慰謝料の根拠など
期限と不応答時のサンクション
訴訟提起・調停申立て
求めている行動
支払い、離婚協議応諾、親権譲渡、接触禁止など
この3つを正確に読み取ることが、対応の第一歩です。自分の認識と違う箇所があっても、その場で反論する必要はありません。弁護士相談で整理してからでまったく間に合います。
書面に書かれた「〇月〇日まで」という期限は、法的な拘束力があるわけではありません。支払い義務や回答義務がその日付から自動的に発生するわけではなく、あくまで「この日までに応答がなければ次の手続きに進みます」という相手方の予告に過ぎません。
したがって、「1日過ぎたらもう手遅れ」ではありません。ただし、期限を大きく過ぎると、相手方は宣言どおり訴訟や調停に進むことがあり、こちらの反論準備が間に合わない状態で手続きに巻き込まれるリスクがあります。

回答期限までに弁護士相談の日程が取れない場合、相手方弁護士に「検討のため○月○日まで回答をお待ちください」と電話で一言伝えるだけで、多くの弁護士は1〜4週間程度は待ってくれます。この一本の電話は、感情的な交渉ではなく、あくまで手続きとしての期限調整なので、問題はありません。
もっとも、言い回しを間違えると「認めたも同然」と解釈されかねないため、不安であれば渋谷・神宮前の当事務所に一度ご連絡いただければ、電話の仕方からお伝えします。
弁護士からの通知書には、離婚に関する論点が複数まとめて書かれていることが多いです。それぞれの意味を簡単に整理します。

離婚自体の可否
相手方が「離婚してほしい」と求めてきても、こちらが応じなければ協議離婚は成立しません。最終的に判決離婚となるためには、民法770条1項の離婚原因(不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、強度の精神病、その他婚姻を継続し難い重大な事由)が必要です。「性格の不一致」だけでは、すぐに裁判で離婚が認められるわけではありません。

財産分与
婚姻中に夫婦で築いた財産を公平に分ける手続きです。不動産、預貯金、株式、退職金、保険の解約返戻金などが対象で、原則として2分の1ずつ分けます。相手方が提示してくる金額は、対象財産の評価や特有財産の扱いで大きく動くことが多く、鵜呑みにせずに再計算する価値があります。

親権・監護権
未成年の子どもがいる場合、どちらが親権者になるかを決める必要があります。従来の基本的な判断基準は「これまで誰が主に監護してきたか(監護の継続性)」「子どもの年齢・意思」「環境の安定性」などで、性別による有利不利はありません。
なお、2024年の民法改正で共同親権の制度が導入され、2026年中の施行が予定されています。父母の合意または裁判所の判断で、離婚後も双方が共同して親権を行使する選択肢が加わりました。

養育費
子どもの生活費・教育費として、監護していない側が支払う費用です。裁判所の養育費算定表を基本に、双方の年収と子どもの年齢・人数で金額が決まります。相手方が「月〇万円」と提示してきた額が、算定表上の相場と一致しているかは必ず確認が必要です。

婚姻費用
別居中の夫婦の生活費です。離婚が成立するまでは、収入の多い側が少ない側に支払う義務があります。こちらも婚姻費用算定表が基準で、請求申立時以降の分しか原則として遡れないため、こちらから請求する場合は早期の申立てが有利になります。

慰謝料
不貞行為、DV、悪意の遺棄など、相手方に非があった場合に請求できる損害賠償です。離婚に至ったケースでおおむね100万〜300万円程度、継続するケースで50万〜150万円程度が実務的な目安ですが、個別事情で幅があります。請求書に500万円と書かれていても、それが法的に妥当な金額とは限りません。
期限を大きく超えて何も返答しないと、相手方は宣言どおり調停や訴訟を申し立てます。調停期日に無断で欠席すれば不成立となり、審判・訴訟に移行します。訴訟で訴状を放置したまま答弁書を出さないと、相手方の主張を全面的に認めたと扱われ、敗訴判決が出てしまう可能性があります。
本人から相手方弁護士に返信すると、発言の一部を切り取られて「支払いを約束した」「不貞を認めた」と後の主張に使われることがあります。口頭の電話でも、録音されている前提で考えるのが安全です。特に、「ごめんなさい」「悪かった」といった謝罪の言葉は、慰謝料の請求権を認めた証拠として扱われる可能性があります。

相手方弁護士から「離婚協議書」「示談書」「委任状」などへの署名・押印を求められることがあります。一度書面に署名してしまうと、錯誤や強迫など限られた理由がない限り撤回できません。金額、親権、面会交流、財産分与などの条件が、将来にわたって効力を持ちます。
「弁護士に相談する」と聞くと、敷居が高く感じられる方が多いのですが、初回相談の中身はシンプルです。渋谷・神宮前の当事務所の初回無料相談(30分)は、おおよそ次のように進みます。
届いた書類一式
封筒・中身・返送が必要なものがあれば同封物も
手元にある婚姻関係の資料
戸籍・収入資料・財産資料があれば任意
これまでの経緯を簡単にまとめたメモ
結婚時期、別居の有無、子どもの状況など

何も揃っていなくても相談は可能です。書類だけお持ちください。

状況の聞き取り(10分程度)
結婚・同居・別居の時期、子どもの有無、相手方の主張のポイントなどを伺います。

書類の読み解き(10分程度)
届いた書類を一緒に確認し、受任通知なのか請求書なのか申立予告なのか、何をいつまでに求められているかをその場で言語化します。

対応方針のご提案(10分程度)
期限までにすべきこと、相手方への返信の要否、反論の可能性、訴訟になった場合の見通し、想定される解決までの期間と費用感をお伝えします。

初回相談で依頼を決める必要はありません。「一度持ち帰って家族と相談します」で問題ありませんし、そのうえで追加質問をいただくこともよくあります。相談に来たからといって依頼を強く勧めることはない、というのが渋谷・神宮前の当事務所の方針です。
離婚事件・慰謝料事件の着手金は22万円(税込)からで、事案の複雑さや手続きの段階によって変動します。成功報酬は、離婚実現で33万円〜、婚姻費用・養育費は獲得した経済的利益2年分の11%〜、財産分与は獲得した利益の11%〜、慰謝料は獲得または免れた経済的利益の17.6%〜です。
初回相談時に、想定される費用総額の目安をお伝えしますので、そのうえでご検討いただけます。分割払いのご相談も可能です。
弁護士からの書類が届いたとき、多くの方がまず感じるのは「何が書いてあるのか怖くて読めない」という気持ちです。渋谷・神宮前の当事務所にご来所いただく方も、封筒を開けたまま、読み切れずに持ってこられる方が少なくありません。
しかし、中身は一つひとつ見ていけば必ず理解できる文書です。そして、理解さえできれば、対応には必ず選択肢があります。全面的に争うのか、一部だけ反論するのか、条件面で交渉するのか、合意に向かうのか。そのどれが最もご自身にとって納得できる結論かは、書類を読み解いたうえで落ち着いて決めることができます。
渋谷・神宮前の当事務所は、明治通り沿い、渋谷駅から徒歩約8分、明治神宮前駅から徒歩約5分の場所にあります。初回相談は30分無料で、秘密は厳守します。お手元の書類を封筒ごと持って、まずはお気軽にご連絡ください。一緒に読み解くところから始めましょう。
