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離婚そのものには合意できても、子どもの親権者をどちらにするか、養育費をいくらにするかで折り合いがつかない——渋谷・神宮前の当事務所にも、このような段階でのご相談が寄せられることがあります。親権と養育費は、離婚条件の中でも最も感情が揺さぶられるテーマであり、同時にお子さんの将来に直結する重要な論点です。
大人同士の争いとしてエスカレートしてしまうと、結果的にお子さんが最も傷つきます。冷静な判断基準と、裁判所がどう考えるかの見通しを押さえたうえで、子の福祉を中心に据えた交渉に持ち込むことが大切です。


親権には、大きく分けて次の2つの要素があります。
身上監護権
子どもの生活全般(住む場所、教育、しつけ)を決める権利・義務
財産管理権
子どもの財産を管理し、法律行為を代理する権利・義務
通常の離婚では、この両方を一方が持つ「単独親権」になりますが、事情によっては監護権だけを分ける運用もあります。
2024年の民法改正により、離婚後の共同親権が法制度として導入され、2026年中の施行が予定されています。父母の協議、または家庭裁判所の判断により、離婚後も双方が共同して親権を行使する選択肢が加わりました。
もっとも、DVや虐待の恐れがある場合は単独親権が選択されることになっており、また共同親権であっても日常的な監護をどちらが担うかは別に決める必要があります。「共同親権になれば揉めなくなる」わけではない点に注意が必要です。
裁判所が親権者を決めるときに重視する主な要素は次のとおりです。
監護の継続性
これまで主に誰が監護してきたか
子の年齢・意思
特に15歳以上は子の意向が尊重されます
監護能力
経済力、健康状態、監護時間の確保
子の環境の安定性
学校・生活環境の継続
兄弟姉妹不分離の原則
可能な限り兄弟姉妹は同じ親と
面会交流への寛容性
他方親との交流を認める姿勢

母性優先の原則は、特に乳幼児の段階では依然として影響を持ちますが、性別だけで決まる時代ではありません。父親が主たる監護者となっているケースでは、父親が親権を取る事例も増えています。
別居時に、どちらが子どもと暮らすかで揉めている場合、「子の監護者指定」や「子の引渡し」の審判・仮処分を家庭裁判所に申し立てることができます。これは離婚調停と並行して進められる手続きで、暫定的に監護者を決める重要な入り口になります。
無断連れ去りがあった場合は、家庭裁判所調査官が子の生活状況を調査し、監護環境の安定性が評価されます。
養育費は、裁判所の養育費算定表に基づいて決めるのが実務の原則です。算定表は、支払う側(義務者)と受け取る側(権利者)の双方の年収、子どもの年齢と人数で金額が定まる仕組みになっています。
おおよその目安として、義務者年収500万円(給与所得者)、権利者年収150万円、子1人(14歳以下)の場合、月額4〜6万円程度がレンジです。子の年齢が15歳以上になると、教育費の割合が増えるため金額は上がります。

一般的には満20歳までが基本ですが、大学進学を前提に22歳(大学卒業まで)とする合意も増えています。一度決めた終期は、合意書で明記することで確実になります。
養育費は一度決めても、事情変更があれば増減額を請求できます。たとえば、義務者が再婚して扶養家族が増えた、権利者の収入が大きく減った、子が進学したなどが典型です。ただし、算定表に従った合意を事後に覆すのは容易ではなく、当初の取り決めが実務的には大きな意味を持ちます。
口約束や私文書での合意は、相手が支払いを止めたときにすぐに差押えができない弱点があります。公正証書(強制執行認諾文言付き)にしておけば、不払いが起きたときに改めて裁判を起こさずに強制執行に進めます。
2020年の民事執行法改正で、養育費については第三者からの情報取得手続きにより相手の勤務先や預貯金情報を取りやすくなりました。公正証書化とセットで活用する価値があります。z
親権・養育費が決まっても、面会交流(監護していない親が子と会う機会)で揉めるケースは非常に多いです。
面会交流は、子の福祉のために原則として実施すべきものとされています。月1回程度、数時間単位が一般的ですが、子の年齢・生活リズムによって大きく異なります。
頻度
月1回か、隔週か
時間
日帰りか、宿泊を含むか
受渡しの方法
第三者を介するか、直接か
連絡方法
直接やりとりするか、メッセージアプリか
第三者を介するか、直接か

合意ができない場合は、面会交流調停を家庭裁判所に申し立てられます。調停委員や家庭裁判所調査官が入り、試行的面会交流(調査官立会いの下で実施)などを経て、具体的な取り決めを作ることが多いです。
面会交流に非協力的な姿勢は、親権判断で不利に働きます。「子どもを会わせたくない」気持ちがあっても、まずは枠組みを作ることが長期的には有利になります。

別居後、お子さんと離れて暮らしている期間が長引くと、相手の監護実績が積み上がり、親権争いで不利になります。親権を希望する場合は、別居の入口で監護者をどちらにするかを決めることが決定的に重要です。
「毎月振り込むから」という口約束だけで離婚届を出すと、数か月後に支払いが止まったときに、改めて調停・審判が必要になります。離婚成立時点で公正証書または調停調書にしておくのが実務の定石です。
感情的に面会交流を拒否すると、相手から面会交流調停→間接強制の手続きに進まれることがあります。間接強制では、「面会1回拒否するごとに○万円支払え」という命令が出ることもあり、かえって拗れます。
渋谷・神宮前の当事務所の初回無料相談(30分)は、次のように進みます。
結婚・別居・子の出生時期のメモ
現在の監護状況
誰が何をしているか
双方の収入がわかる資料
相手の主張と、ご自身の希望条件

何も揃っていなくても相談は可能です。書類だけお持ちください。

親権判断の見立て
監護実績・監護能力の観点から、裁判所がどう判断しそうかを評価します

養育費の試算
算定表を当てはめて、適正な金額レンジをお伝えします

面会交流の設計
子の年齢と生活を踏まえた現実的なルール案を検討します

手続きの優先順位
離婚調停、監護者指定、面会交流調停の組み合わせを提案します

「子どものために今できることを知りたい」という段階のご相談も歓迎しています。
親権・養育費・面会交流は、どれもお子さんの今後の人生に直結するテーマです。だからこそ、感情的な争いで決着をつけるのではなく、子の利益を中心に置いた冷静な設計が必要になります。
渋谷・神宮前の当事務所では、ご依頼者様のお気持ちを受け止めつつ、お子さんにとって何が最善かを一緒に考える姿勢で相談をお受けしています。相談室は個室で、お子さんのご同席にも対応可能です。まずは現状を整理するところから、ご一緒させてください。
