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不貞(不倫)行為について

不貞(不倫)行為は、民法上の離婚原因の一つとして、実務においても多くの離婚事件に関係する重要な問題です。 ここでは、不貞行為の定義、法的効果、証拠の必要性、慰謝料請求、実務上の留意点などについて、弁護士の立場から詳しく解説します。

不貞行為の定義

不貞行為の定義

不貞行為とは、配偶者以外の異性と自由意思に基づき性的関係を持つことをいいます。民法770条1項1号において、裁判上の離婚原因として明記されています。ここで重要なのは、単なる好意や食事・旅行などの交際ではなく、原則として「肉体関係」があることが不貞行為と認められる要件であるという点です。

不貞行為が離婚に与える影響

法定離婚原因としての効力

法定離婚原因としての効力

不貞行為が認定されれば、他方配偶者はそれを理由に離婚請求を行うことができます。不貞行為は、離婚原因の中でも特に重大なものとされており、裁判所も比較的離婚を認めやすい傾向があります。

慰謝料請求の根拠

慰謝料請求の根拠

不貞行為は、配偶者に対する重大な裏切り行為であるため、慰謝料請求の対象となります。慰謝料は、精神的苦痛を金銭的に評価したものであり、金額は事案ごとの事情(婚姻期間、未成年の子の有無、不貞の期間や回数、発覚後の対応など)によって異なります。

不貞行為の証拠について

不貞行為を主張する場合には、その事実の立証責任が生じるため、証拠の確保が極めて重要です。代表的な証拠としては以下のようなものがあります。

  • ラブホテル等への出入りを撮影した写真・動画
  • 親密な内容のLINEやメール、SNSのやりとり
  • 探偵による調査報告書
  • 本人または相手方の自認書や供述書

証拠は「肉体関係の存在」を推認させるものである必要がありますが、直接的な証拠がない場合でも、複数の状況証拠を組み合わせることで裁判所が認定に至ることもあります。

慰謝料請求の実務

請求の相手方

請求の相手方

慰謝料請求は、不貞をした配偶者のみならず、不貞相手にも行うことが可能です。ただし、相手方が既婚者であることを知らなかった場合など、故意・過失が認められないときには責任を問えないこともあります。

請求方法と訴訟

請求方法と訴訟

慰謝料請求は、内容証明郵便による請求から始まり、話し合いがまとまらない場合には調停・訴訟に進むことがあります。訴訟では、証拠に基づいた主張立証が必要不可欠であり、弁護士の関与が結果を大きく左右する場面です。

離婚手続における注意点

離婚手続における注意点

不貞行為があったとしても、当事者間での交渉が難航することも少なくありません。不貞をした側が離婚を望む場合、相手方が同意しない限り、裁判上の離婚請求は原則認められません(いわゆる「有責配偶者からの離婚請求」)。このため、状況に応じた戦略的な交渉と法的判断が重要になります。

不貞行為は、離婚原因となるのみならず、慰謝料請求も認められ得る重大な事項です。証拠の収集や主張の整理には専門的な知識と経験が求められるため、早い段階で弁護士にご相談されることをお勧めします。

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