離婚に向けた手続きの中で、既に家庭裁判所での離婚調停や離婚訴訟が始まっているという方もいらっしゃることでしょう。
「ここまで自分でやってきたけれど、これから先が不安」「相手の主張に納得がいかない」「裁判所の手続きが複雑でわからない」と感じる方にとって、今からでも弁護士へ依頼することには大きな意義があります。
離婚調停・離婚訴訟の違い
現在進行中の手続きが「調停」なのか「訴訟」なのかによって、今後の進行や求められる対応は大きく異なります。
離婚調停
裁判所に設けられた調停委員会のもと、夫婦双方の話し合いによって合意を目指す手続きです。
離婚訴訟
調停が成立しなかった場合に限って起こすことができる裁判手続きで、最終的に裁判官が判決を下します。
どちらの段階であっても、相手方の主張や提出書面に対して的確に対応する必要がありますが、特に訴訟段階になると、法律構成や証拠の提示方法が結果に直結することが多く、専門的な知識が求められます。
弁護士ができること ー 戦略的な主張と証拠提出
既に手続きが始まっている場合でも、弁護士に依頼することで、法的に有利な方向へ戦略を見直すことが可能です。
例えば、離婚原因について、相手方から「不貞行為」や「悪意の遺棄」などの主張がされている場合、それに対抗するためには、法的に適切な反論と、それを裏付ける証拠の提出が必要です。
また、財産分与や慰謝料、養育費の額について争いがある場合にも、適切な主張と資料をもって交渉・主張を行うことが大切です。
ご本人だけで対応を続けていると、主張すべきポイントを見落としてしまったり、法的に不利な内容で合意してしまう可能性もあります。
弁護士は、依頼者の立場に立ち、法的知識と経験に基づいた説得力ある主張を行うことができます。
裁判所とのやりとりの負担を軽減
調停や訴訟においては、裁判所への書面提出や期日の出席など、多くの手続きが必要です。特に訴訟では、訴状や答弁書、準備書面の作成が求められ、法律用語や形式に則った記載が必要となります。
弁護士に依頼すれば、こうした書面の作成や提出を代行し、また、期日にも代理人として出席することができます。依頼者の精神的・時間的な負担を大幅に軽減できることは、特にお仕事や子育てなどと並行して離婚手続きを行っている方にとっては大きなメリットです。
和解・解決への道筋の明確化
調停や訴訟が長引くことは、当事者双方にとって負担です。弁護士は、依頼者の希望を踏まえつつ、現実的に可能な落としどころを見極めたうえで、和解に向けた助言を行うことができます。
相手方に弁護士が就いている場合には、弁護士同士の交渉によって、スムーズな進行や合意形成が期待できるケースもあります。
早めの相談が大切
「もう始まっているから、今さら弁護士に頼んでも遅いのでは?」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には調停・訴訟の途中からでも弁護士が受任するケースは少なくありません。
むしろ、事態が複雑化する前に、早めに専門家の助言を得ることが、その後の結果に大きく影響します。ご自身だけで抱え込まず、ぜひ一度ご相談いただくことをお勧めします。
既に離婚調停や離婚訴訟をしている場合であっても、弁護士に依頼することで、適切な主張の組み立て、裁判所対応の負担軽減、円滑な解決への道筋など、さまざまなメリットがあります。これからの人生を見据えた最善の選択をするためにも、一度弁護士へご相談されてはいかがでしょうか。