解決事例

婚姻費用調停で月々2万5000円の婚姻費用で解決し大幅な減額に成功した事例

解決の要旨

当方のご依頼者は夫A(以下「ご依頼者A」といいます。)、先方は妻Bであり、先方より婚姻費用調停が申立てられ月々12万6000円程度の婚姻費用請求がなされたが、月々2万5000円の婚姻費用の支払いにて調停が成立しました。

事実関係の概要

  1. 1 ご依頼者Aと妻Bの夫婦は、令和5年9月に別居しました。
  2. 2 その後、妻Bがご依頼者夫に対し、月々12万6000円の婚姻費用の支払を求めた婚姻費用分担調停事件(以下「本件婚姻費用調停」といいます。)を申立てました。
  3. 3 ご依頼者Aは、弊所の弁護士を代理人弁護士に選任しました。
  4. 4 ご依頼者Aと前妻との間には、長男(平成18年生)と長女(平成20年生)の2名の子がいました。後述のとおり、この事情は、婚姻費用の減額要因として考慮されることになります。
  5. 5 ご依頼者Aは個人事業主として、看護師業務、クリニック経営に関わる業務、人材紹介業務などに加え、副業で、配達員(Uber Eats等)、動画編集といった業務を行っております。
  6. 6 他方で、妻Bは、従前、看護師として勤務していましたが、本件婚姻費用調停の申立時は、無職でした。
  7. 7 本件婚姻費用調停は、令和6年11月、家庭裁判所において、婚姻費用は月々2万5000円という形で調停が成立しました。

当事者の主張要旨

1. 妻Bの主張要旨

  1. 妻Bは、ご依頼者Aの個人事業の売上が、主張されている金額よりも高いのではないかという主張をしました。
  2. また、妻Bは、ご依頼者Aの事業経費に関しても、特に接待交際費や消耗品費などが事業と無関係な私的な支出ではないか、あるいは、その根拠が不明確であるとして、経費全額が認められないと主張しました。
  3. また、妻Bはご自身の就労能力に問題があるとして、適応障害やうつ状態により就労困難であると主張されました。これを裏付けるとして、令和5年12月付の診断書が提出されました。

2. ご依頼者Aの主張要旨

  1. ご依頼者Aは、婚姻費用は発生しないと主張しました。その主な根拠として、当方の収入状況に加え、前妻との間に生まれた子の養育費として年間204万円を支払う義務があることを挙げました。この養育費負担を考慮すると、現在の夫婦と子の生活費を当方が負担すべき婚姻費用は発生しない、あるいはマイナスとなるという計算結果となりました。
  2. また、当方の収入については、個人事業の収入資料として確定申告書を提出しました。また、個人事業の経費として約104万円が発生しており、これを年収から控除すべきと主張しました。主張した経費の費目は、会議費、雑費、車両費、消耗品費、接待交際費、地代家賃、通信費、水道光熱費、旅費交通費、確定申告のソフトウェア費用、PCの減価償却費などでした。これらの数字に基づき、月々の平均純利益を算出し、推定年収を約610万円と算定いたしました。
  3. 特に、妻Bから経費の妥当性について異議が出されていた接待交際費、消耗品費、地代家賃については、それぞれが事業に関連する費用であることを具体的に主張し、反論いたしました。例えば、地代家賃については、自宅の一部を事業に使用しており、その使用割合に応じた金額のみを計上していることを説明いたしました。
  4. なお、妻Bは、本件婚姻費用調停の途中で、再就職しました。そのため、妻Bの就労不能の問題は、争点から除外されました。

解決内容及び解決のポイント

  1. 1 の調停期日を経て、令和6年11月、東京家庭裁判所において、以下の内容で調停が成立いたしました。

    ・相手方(ご依頼者A)は、申立人(妻B様)に対し、別居期間中の婚姻費用の分担として、月額2万5000円を支払う。

  2. 2 これにより、別居開始後の婚姻費用に関する問題が解決いたしました。本件調停は、収入算定や経費、就労能力といった専門的な論点が複雑に絡み合った事案でしたが、調停という話し合いの場を通じて、双方の主張を調整し、現実的なラインでの合意に至ることができました。
  3. 3 しっかりと法的根拠や証拠を示しつつ裁判所(調停委員)や相手方を粘り強く説得し続けたことが良い解決が実現できたポイントだと考えております。婚姻費用でお悩みの方がいらっしゃいましたら、まずは、お気軽にお問い合わせください。
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