⑴ はじめに
本ページでは、離婚弁護士の選び方について述べたいと思います。
結論から述べますと、弁護士を選ぶうえでは、次の①~⑦の要素が大切であると考えます。
の7要素になります。
以下では各要素が求められる理由についてご説明いたします。
⑵ 価値観やフィーリングの合う弁護士を選ぶこと
1点目としては、価値観やフィーリングの合う弁護士を選ぶことが望ましいと考えます。理由としては次のことが挙げられます。
離婚問題は解決までにある程度の期間を要することが多く、弁護士との関係はある程度長期の関係になることが多いです。
離婚問題はただでさえストレスが大きいのに、弁護士との間で価値観や目指すべき方向性に食い違いが発生すると、よりストレスが過大になってしまいます。
ですので、価値観やフィーリングの合う弁護士を選ぶことが望ましいといえます。
特に、弁護士にご依頼する場合には、当該ご依頼案件の達成目標(又は着地点)やタイムスパンなどは、弁護士との間で共有しておくことが望ましいと言えるでしょう。
⑶ 話をしっかりと聞いてくれる弁護士であること
2点目としては、法律相談の際、話をしっかりと聞いてくれる弁護士を選ぶ必要があります。理由としては次のことが挙げられます。
弁護士が適切な助言・見通し(解決策)を示す前提として、ご相談の事実関係を適切に把握している必要があります。そのためには、弁護士がしっかりとご相談者の方のお話をお聞きする必要があります。
前提となる事実関係が誤っていると、それに対する法的な助言や見通し(解決策)も的外れなものとなってしまいます。弁護士がご相談者の方から話を聞くことによって、的確に事実関係や紛争の内容を把握できれば、その事実関係や紛争に対して、法的な最適解を適用し得る可能性が高まることになります。
もちろん、法律相談の場では時間が限られていますので、ある程度、効率的に事実関係を確認していく必要がありますが、弁護士がご相談の事実関係を的確に把握するように務めることは基本中の基本と言えるでしょう。
⑷ 法律的な根拠に基づいた説明があること
3点目としては、弁護士が示す助言や一定の見通し(解決策)が法律的な根拠に基づいてなされていることが挙げられます。
法律的な根拠としては、
などが挙げられます。
法律相談の場では、詳細な根拠を示すことは困難ですが、一般の方にも分かりやすく、法律的な根拠を説明してくれる弁護士を選ぶことが望ましいでしょう。
⑸ 一定の見通し(解決策)を示してくれること
4点目としては、法律相談の際、一定の見通し(解決策)を示してくれる弁護士を選ぶことが望ましいといえます。
離婚問題といっても争点は多岐にわたります。
具体的には、次の①~⑥の問題が挙げられますが、これに限られません。
などが争点となります。
このような離婚問題の各争点について、一定の見通し(解決策)を示してくれる弁護士を選ぶことが望ましいといえるでしょう。
⑹ リスクやマイナス面に関する説明があること
5点目については、リスクやマイナス面についても、説明をしてくれる弁護士が望ましいと考えます。
離婚問題に関する交渉、調停、訴訟等を進めていく場合、こちらの良い見通しどおりに進むことは、それほど多くはありません。
物事には必ずプラスの側面とマイナスの側面があり、マイナスの側面やリスク等についても、想定のうえで対応していく必要があります。
⑺ ご依頼をした場合の手続の流れや時間的な進捗の目安を示してくれること
6点目としては、ご依頼をした場合の手続の流れや時間的な進捗の目安を示してくれる弁護士を選ぶことが望ましいといえます。
具体的には、
特に、離婚調停や離婚訴訟などの訴訟手続の進捗の流れは、一般の方の感覚からすると、スローペースで進むことが多いため、弁護士としては、この点をしっかりと説明する必要があります。
⑻ 可能であれば離婚問題に注力している弁護士を選ぶこと
7点目については、可能であれば離婚問題に注力している弁護士を選ぶことが望ましいといえます。
但し、このことは絶対的な条件ではありません。基本的には前述の6要素が備わっている弁護士であれば問題ないと考えます。
専門分野や注力分野ではなくとも、秀逸な働きをする弁護士はいるからです。
最後に、弁護士を選ぶ上での注意点について述べたいと思います。
⑴ 自身にとって心地良いことしか言わないケース
弁護士を選ぶうえで悩ましい事項は、弁護士が自身にとって都合の良いことしか言わないケースです。
このケースのリスクとしては、当該弁護士の見方が楽観的過ぎると、後々、手痛い目に遭ってしまうことがあります。
当該弁護士の見通し(解決策)や助言が過度に楽観的なものか否かの検証については、難しいところではありますが、法的な根拠を確認するのが良いでしょう。
当該弁護士が法的な根拠を示していれば、その見通し(解決策)や助言にも相応の法的理由があることが一定程度推認できると思います。
また、このようなケースの場合には、当該弁護士に対して、ご依頼を検討している案件のリスクやマイナス面、最悪のシナリオなどについても確認しておくことが望ましいといえるでしょう。
⑵ 電話やメールに対するレスポンスが遅いケース
電話やメールに対するレスポンスが遅い弁護士は避けた方が望ましいと考えます。
弁護士は非常に多忙な方が多いですが、多忙であることはご依頼者の方やご依頼案件を蔑ろにしてよい理由には全くなり得ません。
ご依頼者やご相談者の方からお問い合わせがあった場合には、どんなに忙しくても1営業日以内に返答するのがビジネスマナーであると考えます。
もちろん、時には息つく暇もないほど忙しい状況に陥ることはありますが、恒常的に電話やメールのレスポンスが遅い弁護士は避けた方が望ましいでしょう。
以上のとおり、本ページでは、1.弁護士の選び方、及び、2.弁護士を選ぶうえでの注意点について述べました。
まとめますと、
I.弁護士の選び方としては、
の7要素が重要な指標となります。
これらの7要素を完璧に満たしているケースは多くはないと思いますので、それぞれの要素を検討材料のひとつとして考慮するのが望ましいと言えるでしょう。
また、弁護士に相談する場合には、これらの7要素を参考にして、積極的に質問をするのが良いと思います。
質問をすれば、多くの弁護士は適切に回答をしてくれるでしょう。
II.弁護士を選ぶ上での注意点としては、
このような場合には注意点を要することを解説いたしました。
本ページがご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。